お子様ゼフェル大騒動2
大泣きしていたゼフェルが何とか泣き止みほっと一息ついた守護聖たちは、報告のためゼフェルを連れて女王陛下のもとへと向かった。
「まぁ…」
「あら、ゼフェルったら随分可愛くなっちゃったのね…」
驚いた表情ながら、この状況に似合わないおっとりとした口調の女王陛下と女王補佐官。
小さくなったゼフェルを見た二人の反応は、いたってシンプルなものだった。
さすがは宇宙を統べる女王とその補佐官…並大抵の事では動じないようだ。
取り合えず、先程と同じようにルヴァが状況について説明する。
しかし、ルヴァにだっこされたゼフェルが、話の途中でバタバタ動いたりターバンを引っ張ったりして話のこしをおってしまい、なかなか話が進まない。
泣きやんで落ち着いたのはいいが、どうやら今度は周りの人物や物に興味がいってしまっているようだ。
結局、最後にはリュミエールにゼフェルがバトンタッチされ、なんとかリモージュへの説明を終える事ができた。
ルヴァから話を聞いた女王と補佐官は、顔を見あわせ二・三言葉を交しあった後に、守護聖達へとこう告げる。
「状況はわかりました。今のところサクリアに異常はみられないけれど、このままにしておくわけにはいかないし・・・皆さんで協力して、ゼフェルが小さくなってしまった原因をつきとめて、ゼフェルを元に戻す方法を見つけて下さい」
「取り合えず、誰かがゼフェルの面倒を見なければいけないでしょうから・・・それはルヴァにお願いしてよろしいかしら?やっぱり、ゼフェルのお目付け役といったらルヴァしかいませんもの」
リモージュの言葉を受け、ロザリアがルヴァへ視線を向けながらそう続けた。
「そうですね〜・・・ゼフェルの面倒は見慣れていますから、やはり私が適任なんでしょうねぇ〜」
大きい時より素直に話を聞いてくれそうですしねぇ・・・などと、元のゼフェルが聞いたら激怒しそうな事を言いながらウンウンと頷くルヴァ。
こうして、女王陛下の正式な命により、関係者全員でゼフェルを元に戻す方法を探す事となったのだが・・・
「ねぇ、私にも小さいゼフェルを抱っこさせてもらってもいいかしら?」
「陛下っ!!そのような事をいっている場合ではないでしょう!」
いかにもウキウキしているという口調のリモージュをロザリアがたしなめる。相変わらず、陛下は陛下のようだ・・・


3歳児ほどになってしまったゼフェルに執務は無理な為、他の守護聖が手分けしてやる事になり、ゼフェル本人はルヴァが自分の執務室で面倒をみる事になった。
そしてその日の午後、話を聞いた女王候補の2人がルヴァの執務室へ様子を見にやってき
た。
「この子が・・・ゼフェル様?」
「やだ〜〜、すっごく可愛い〜〜〜〜〜vv」
小さくなったゼフェルを見た二人は、驚きながら小さなゼフェルを眺めている。
ちなみに今のゼフェルは、執務のために机に向かっているルヴァの膝の上にちょこんと座っている状態だ。
「なんか、そうしてるとホントの親子みたいですね〜」
なにやら微笑ましいその光景に、レイチェルがクスクスと笑いながらそんな感想をもらす。
たしかに、元のゼフェルとならば「兄と弟」だが(もっとも、関係的には父と息子に近いものがあったが・・・)今の状態では親子でも通用しそうだ。
言われたルヴァの方は、「お、親子ですか・・・?」といささかショックを受けている。
「けど、そんな小さくなっちゃって育成とか出来るんですか?大事な女王試験の真っ最中なのに・・・・」
「あ〜・・・、それは心配いりませんよ。ゼフェルのサクリアに異常はありませんし、とりあえず、私がそばについて教えてあげながらやれば力の流現はできますよ」
「ほんとですか?あ〜よかったぁ・・・」
それが一番の気がかりだったらしく、ルヴァから返ってきた答えに安心した表情になるレイチェル。
「レイチェルってば・・・ゼフェル様本人の心配はしてないの?」
「それはもちろん心配してるけど、やっぱり重要でしょ?試験の結果を左右するんだから。それに・・・・誰かさんが人一倍心配してるからね。私は必要ないんじゃない?」
「レ、レイチェル〜」
アンジェリークがゼフェルを好きだと知っているレイチェルがからかうようにそう言うと、アンジェリークが顔を赤くする。
「えっと・・・それでルヴァ様、ゼフェル様はちゃんと元に戻れるんでしょうか?」
レイチェルの発言をごまかすようにやや早口になりながら、アンジェリークがルヴァに尋ねる。
「なんともいえませんが・・・我々守護聖はもちろん、教官・協力者の方々も元に戻す方法を探していますから。心配しなくても大丈夫ですよ〜」
「そうですか。早く方法が見つかるといいですね・・・私にも何か手伝えたらいいんですけど・・・」
「う〜ん・・・私も手伝おうかな〜?王立研究院の研究員としてはやっぱり気になるし」
「いえいえ、あなた方は試験に集中していてください。ゼフェルの事は私たちに任せてくださいね」
それぞれ根底の想いは違うとはいえ、問題の解決に協力しようとする二人へルヴァがいつものほんわか笑顔でそう答えた。
「けど、そうですねぇ〜・・・早く戻る方法が見つからないと、困ってしまいますからね〜。私も、ゼフェルの面倒を見ながら文献を調べてみますけど・・・」
「あ、そっか。ルヴァ様がゼフェル様の面倒見るって事になってるんでしたっけ?」
「ええ、泣かなくなったのはいいんですが、今度は色々興味を持ち出してあちこち触ろうとするので大変なんですよ〜。ですから、ゼフェルの興味を惹くようなおもちゃがあればおとなしくしてくれてるかと思いましてね〜。明日には届くことになっているんですよ〜」
陛下が張り切って選んでいましたからね〜〜、と楽しそうに言うルヴァに、「はぁ〜・・・」と苦笑を浮かべるアンジェリークとレイチェルであった。


管理人:  た・・・大変遅くなってしまいましたが、第2話のアップです!!うう・・・長かったよぅ(汗)
       ・・・あれ?ゼフェル様?
ゼフェル:  ・・・・・(ぷぅ〜・・・)
ルヴァ:   ああ〜、どうやら長く放っておかれたのでご機嫌斜めのようですね〜
管理人:  はうっ!!ご、ごめんなさ〜〜い(汗)
ルヴァ:   次は早く続きを書いてもらえるといいですね〜〜(ご機嫌斜めなゼフェルをあやしながら)
管理人:  ど・・・・努力します(汗)
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